教授が語る!スポーツ科学から分析した投資戦術を徹底解説

投資の世界では、データ分析や戦略的思考が重視されますが、スポーツビジネスの世界でも同様のアプローチが取られています。

今回は、スポーツビジネスの専門家である佐々木教授に、スポーツ科学の視点から投資戦術について、その共通点や活用できる考え方についてお話を伺いました。

この記事を読むことで、スポーツマネジメントの知見を投資戦略に応用するヒントを得ることができます。

投資に関心のある方はもちろん、スポーツビジネスに興味がある方にも役立つ内容です。

佐々木 達也 教授
日本大学 スポーツ科学部

早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修了。
大手広告代理店、Jリーグクラブにて勤務。
その後金沢星稜大学にて教鞭を取り、
城西大学経営学部教授としてスポーツ振興センター所長を務める。
現在は、日本大学スポーツ科学部教授。
専門分野は、スポーツビジネス。
サッカー界のお金のリアルを伝えるYoutubeチャンネルを配信しています。

【主な論文】
「放送権料収入と人件費の関係:JリーグがDAZNと交わした契約を例に」
「プロフェッショナル経営者によるJクラブ改革-V・ファーレン長崎の経営危機と昇格に関する事例研究-」等


スポーツで結果を残すために必要な要因

編集長

スポーツで結果を残すために必要な要因をご教示いただきたいです。競技によって異なる部分はあるかと思いますが、スポーツ全般における要因や具体的な種目を取り上げてご教示頂けますと幸いです。

佐々木 達也氏

スポーツビジネスにおいて、トリプルミッションモデル(平田・中村2006)を私は支持しており、スポーツビジネスの基本であると認識しております。

トリプルミッションモデル(平田・中村2006)
図1:トリプルミッションモデル(平田・中村2006)
佐々木 達也氏

スポーツにおいて、誰もが勝利を得るために努力していることは言うまでもありません。それでも勝者と敗者に別れるのがスポーツです。プロスポーツクラブのビジネスとして最も重要なことは、ファンを獲得することだと私は思っております。

佐々木 達也氏

何故なら、「ファン獲得=普及」でファンが多ければ多いほど、グッズも売れますし、チケット単価を上げても集客できるでしょう。また、価値が高い試合ほど、チケットの単価も上昇し、その価値の高い試合は、放送する値があるので、メディア放映され、放映権料を得ることができます。

編集長

なるほど。どれだけファンを獲得出来るかがキーになるんですね。

佐々木 達也氏

ファン獲得=普及により、入場料収入、グッズ収入、放映権料収入等の資金が集まり、その資金により選手を獲得したり環境を整えたりして、チームは勝利を収めることができるという考え方です。

佐々木 達也氏

先ほどのトリプルミッションが好循環すると、勝利をすることで、ファンは歓喜して、お金をもっと落としてくれます。そして、強いチームは新規のファンも獲得できるので、普及=ファン獲得に繋がり、この好循環がクラブ=チームを強くしていきます。

佐々木 達也氏

Jリーグクラブにおいても、上位のクラブは多くのファン・サポーターに支持されており、いかに多くの支持者を得ること、クラブ・チームとして共感を得ることが大事です。

スポーツと投資における共通点

編集長

スポーツと投資における共通点があればお伺いしたいです。例えば、スポーツは計画性やメンタル面の観点から共通しているものやその他の要因があればご教示いただけたらと思います。

佐々木 達也氏

スポーツビジネスという観点で考えると、現在はAIを活用して対戦相手を分析することは当たり前のことです。また、選手を獲得する際にもAIを活用しているクラブが特に欧州においては多くなっています。私がスポーツビジネスの研究をするきっかけになったのは、当時FCバルセロナ副会長フェラン・ソリアーノ「ゴールは偶然の産物ではない」を読んだことがきっかけです。ひとつのゴールや勝利を挙げるために、クラブ・チームは綿密なマネジメントの上に成り立っているのです。

編集長

やはり勝利のために研究、分析することは不可欠なんですね。

佐々木 達也氏

私も投資をしておりますが、勉強をしたり、詳しい人から学んだ上で投資した時は、成功しますが、世間の情報を鵜吞みしたり、勘やフィーリングで投資すると、失敗することが多いです。スポーツと投資の共通点では、信頼のおける優秀な指導者から学ぶことは大事だと思います。投資は専門的かつ複雑な世界なので、学ぶことが大事ではないでしょうか。

佐々木 達也氏

そして、それが正しい情報であるかをジャッジメントできる能力は備え付けておかないと失敗すると思います。スポーツにおいても最後に責任取るのは本人なので、自分にとってプラスになることを学び落としこんでいくことが重要です。自分にとってマッチすることを多くの選択肢の中からチョイスすることが必要です。

投資戦術に生かせる考え方

編集長

上記の質問内容を踏まえ、投資戦術に生かせることがあればお伺いしたいです。メンタル面や計画性の観点など佐々木教授の所感をお伺いできればと思います。

佐々木 達也氏

投資をする上で大切なことは、まずは準備ではないでしょうか。社会情勢、経済、金融市場等熟知している人はそれほど多くはいないでしょう。スポーツにおいても、組織・環境を整えた上で、現場が成り立ちますので、まずはしっかりとしたセルフマネジメントが大事だと思います。

佐々木 達也氏

サッカーに例えると、攻撃力より守備力のあるチームが勝利を収める確率が高いです。攻撃は、クリエイティブな要素が大きいですが、守備は組織力が必要であり、計算ができます。サッカーは、ハイリスクハイリターン戦術で勝利を収める確率は高くないでしょう。また、クラブ経営においても、ハイリスクハイリターン経営で取り返しのつかない状況に陥ることが多々あります。投資においても、ハイリスクハイリターン戦法ではなく、着実かつ健全な投資していくことが大事ではないでしょうか。

まとめ:スポーツビジネスから学ぶ投資の知恵

本インタビューでは、佐々木教授に、スポーツビジネスの視点から投資戦術について幅広くお話しいただきました。

スポーツにおけるトリプルミッションモデルの考え方は、投資においても重要な示唆を与えてくれます。

ファン獲得を起点とした好循環の構築、データとAIを活用した分析、そして守備力を重視した堅実な戦略など、スポーツと投資には多くの共通点があることがわかりました。

今回のインタビューが、読者の皆様の投資戦略の参考になれば幸いです。

なお、投資を行う際には、よくご自身で調査・検討を行ったうえで、自己責任で判断することをお願いします。